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香港デモで片目を奪ったゴム弾の威力

 

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 逃亡犯条例の改正案をめぐり、香港では現在でも大規模なデモが続いております。その中でもショッキングな事件が報道されました。ここで話題となったゴム弾について紹介していきます。

 

www.bbc.com

 

目次

 

 

 

 

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ゴム弾の威力

 

 至近距離から受けるとプロボクサー並みの衝撃があります。また、当たり所が悪ければ死傷することさえあります。しかし、ゴム弾には基本的に殺傷能力はなく、暴徒鎮圧用に使用される非致死性兵器と位置付けられています。その理由としては弾頭の先端に元々切れ目かがあるため、弾丸の発射と同時に風圧を受けて先端の切れ目から十字に飛散するため、弾速と威力が弱くなる仕組みをしているからです。ですが、先に述べたようにここで問題となっているのはその至近距離からゴム弾を受けたことです。

 

 

 

 

 

 

 

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ゴム弾の使用方法

 

 ゴム弾は基本的に地面に発砲し、そこから反射させることで鎮圧対象の下半身を狙うことが目的とされています。その際に多少痛みはありますが大きなケガになることはありません。しかしこの方法を守らず、直接発砲をしてしまうと、弾丸の速度が落ちることなく、威力もそのままで対象者に向けて当たってしまいます。その場合、骨折する可能性もあります。今回の暴動で使用方法を守らずゴム弾を使用している可能性が大いにあり得ます。ちなみに弾丸の速さは217km/h、有効距離は64mでその速さのゴム弾が自身に向かって飛んでくるとなるとすごく恐ろしいく感じます。

 

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どの距離で当たったか

 

 負傷したジャーナリストヴェビー・メガ・インダーの弁護士によると12m先からインダー氏のゴーグルに当たったとされています。インダー氏は「PRESS」と書かれたベストにゴーグルとヘルメットを着用していました。インダー氏がとっさにかがんだ結果、地面から反射したゴム弾をもろに受けたか、直接受けたのかは定かではありませんが、ゴム弾を武装した警察が12mからの至近距離からの発砲となるとたとえ殺傷能力が低いとされているのものでもゴーグルを貫通する大きな威力を伴うことは避けられないでしょう。

 

 

 

 

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報道機関と叫んだが発砲された理由

香港のデモに参加している人がかなり多く、またその最前線ともなるとかなりの緊張感でデモ隊と警察隊がにらみをきかせています。その中で報道人がいたとしてもその周りにはデモ隊がいる可能性もあります。その状態下で報道人を避けながらデモ隊を鎮圧するのは不可能に近いといえるでしょう。また、インダー氏が発言していた言語が香港のデモ隊に対して通用する言語であったかどうかも定かではありません。

 

 2019年3月から始まった香港のデモは長引くにつれて次第に過激さも増してきています。それを鎮圧すべく警察がデモ隊の一人である学生に発砲し重傷を負わせた事件もまたショッキングな内容となっています。それと同時に警察隊の中でも負傷者が後を絶ちません。この惨事を長引かせないために、香港政府はこのデモの収拾をいち早く取り組む必要があるでしょう。